top of page

誤飲事故にはご注意を!

今週末は成人式ですね。

晴れ姿に着飾った新成人たちが街を出歩いているのを見ると、自分の成人式を思い出します。

この時期の救急外来で最も多いのが『誤飲事故』です。

 ワンちゃんネコちゃんは比較的吐きやすい動物です。1〜2回吐いても、その後元気も食欲もありいつも通りなのであれば通常大丈夫です。しかし、何度も吐いて元気がない、食欲もなくグッタリしている、こんな場合は診察が必要です。

嘔吐の原因は多岐に渡ります。

 吐き気止めの注射だけではダメなこともあるのです。急性なのか慢性なのか、年齢や性別、既往歴や生活内容など様々な問診を行い、そして各種検査にて嘔吐の原因を鑑別していきます。

 先日来院した若いワンちゃん、昨日までは元気だったのに今日から何度も吐いている、元気も食欲も無い、という主訴でした。お腹のエコーを確認したところ、消化管がかなり拡張しており、また一部の小腸がアコーディオンのようになっていました。

エコー検査

中心部には白い糸状のものも確認できます。消化管内異物(特にひも状異物)を強く疑う所見です。私は普段、異物の確認に消化管造影検査も行います。しかし、ひも状異物の場合は腸に強いテンションがかかり複数箇所の穿孔を起こしてしまうのでより緊急性が高い状況です。そこでご家族に説明し、造影検査は行わずにすぐに開腹手術を行いました。

 お腹を開けて見ると、やはり腸にひも状の異物がつまっており、非常に危ない状態でした。腸切開にて異物を摘出し、腸をキレイに縫合し大網という組織を被せてお腹を閉じました。

ひも状異物

合併症も少なくないこの手術ですが、この子は順調に回復し、1週間の入院ののちに元気に退院していきました。私もホッと一安心です。

動物はなぜ吐き気があるのかを伝えることができません。獣医師が注意深く診療することで多くの子を助けることができます。

動物医療センター とよた犬と猫の病院

院長

北原 康大

特集記事
後でもう一度お試しください
記事が公開されると、ここに表示されます。
最新記事
カテゴリー
アーカイブ
タグから検索
bottom of page