食道内異物(食道梗塞)
あけましておめでとうございます!!
今年も動物医療センター とよた犬と猫の病院をよろしくお願いいたします!!
新年最初のブログ更新は『食道内異物(食道梗塞)』についてです。
さてお正月になると、ヒトは餅を喉に詰まらせてしまう事故が増えます。
実はワンちゃんも同じで、特に小型犬は喉に何かが詰まってしまうことが多々あるのです。
先日来院されたチワワちゃん。リンゴを食べた後呼吸が苦しそう、とのことでした。来院時は比較的落ち着いていましたが、胸部X線検査では食道内に何かが見えます(矢印)。
食道内にリンゴが停滞しているのです。また苦しくてたくさんの空気を飲み、胃内がガスでパンパンです。
食道内で詰まりやすい場所は3ヶ所(①胸部入り口、②心臓の上、③胃の入り口手前)あり、①②は気管を圧迫するため非常に苦しいです。しかし③まで来ると意外と呼吸は楽になります。
この子が来院時、割と様子が普通であったのは③まで来たため呼吸が楽になったためであると思われます。しかし食道内にリンゴが停滞していては食事も取れませんし、食道炎や食道穿孔などに進行してしまう可能性もあります。
緊急性が高い状態です。
幸い、食べたものがわかっている(リンゴ)ので、内視鏡を使って胃までリンゴを押し込んでしまえばOKです。この子の後日の経過観察でのX線写真も載せますが、食道にも異物は無く胃にもガスはありません。
ジャーキーやリンゴなどを食べた後、呼吸が苦しそう、えづく、泡を吐く、落ち着かずウロウロする、などの症状が見られた場合は食道に詰まっている可能性が高いです。夜間救急病院に勤めている時は本当にたくさんのこのようなトラブルを治療しました。夜におやつを貰うからでしょうか、昼よりも夜に圧倒的に多い印象です。
動物医療センター とよた犬と猫の病院
院長
北原 康大