食道内異物除去
早朝の診察時間外に電話がなりました。
初診のワンちゃんで、「リンゴを飲み込んでしまい、呼吸が苦しそう、泡を多量に吐いている」とのことでした。状況から考えると、リンゴが食道に詰まっていると思われます。
非常に緊急性が高い状態ですので、すぐに来院してもらいました。
来院時、強いえづき・泡の嘔吐・呼吸苦を認めました。レントゲン検査にて食道の終わり(胃の手前)で閉塞しているリンゴと思われる陰影を認めました。食道全体もガスで拡張しています。
リンゴによる食道閉塞と診断して、すぐに全身麻酔下での内視鏡を行いました。
内視鏡を入れると、すぐに食道内にリンゴを確認できました。
鉗子で摘出しようと試みましたが、リンゴが柔らかくて掴んだ部位が崩れるだけでなかなかできず。
そこで、内視鏡でリンゴを胃内に押し込むことにしました。
無事に胃内に押し込んで終了です。リンゴは通常通り消化吸収されます。
私が夜間救急病院に勤務時代、数多く経験した食道内異物。ワンちゃん達もこれから年末に向けて、普段とは違う食事・生活になる可能性があり、こういったトラブルが増える可能性がありますので、要注意です。
動物医療センター とよた犬と猫の病院
院長
北原 康大