モルモットのモルちゃん

 小さい頃から私と兄は、何か動物を飼いたいとずっと親にねだっていました。その頃の私と兄の中では、家で飼う動物はなぜか「犬」という考えしかなく、ついに両親がペットショップに行くと言い出した時は当然犬がうちに来るものと思っていました。当時私は保育園児でその経緯はあまり記憶にありませんが、家族4人で春日井の西武に出かけ、家に連れて帰って来たのはなぜか1頭のモルモットでした。

モルモット

名前はモルモットだから「モルちゃん」でした。

 モルちゃんは父親が作った小屋で暮らしていました。水の入った陶器製の皿を歯でカンカンと鳴らすとモルちゃんがお腹が減っているよと母親に言われました。ペレットと同じ形のうんちをすることが幼い私は妙に面白かった記憶があります。当時の家は庭に芝生があり、そこにモルちゃんを下ろすと芝生をまぐまぐと食べ、それを見るのが好きでした。子供用のプールでモルちゃんのお風呂もやりました。

 家族4人とも、モルモット飼育の知識がおそらく皆無、もしかしたら何かモルちゃんにとってストレスになるようなこともあったかもしれませんが、間違いなく愛情だけは注いでモルちゃんと暮らしました。

 モルちゃんが家に来て2年後、だんだんとご飯を食べなくなり、元気もなくなりました。動物病院に連れて行き、注射を打ってもらいました。その夜、元気無く動かないモルちゃんを家族4人でずっと見ていました。そしてお風呂に入ろうと目を離した時に、モルちゃんは亡くなりました。母親から、みんなが見ている時は頑張って生きていようとしたんだねと言われて、涙が出た記憶があります。

 モルモットの寿命は7年ぐらいと言われています。幼い私は何も考えていませんでしたが、そういえば家に来た時からずっと同じ大きさで、2年で亡くなったモルちゃんはもしかしたら既に割とお年だったのかもしれません。ポーカーフェイスでいつも同じ顔、「キュイーキュイー」と鳴きながら芝生をまぐまぐと食べ進んでいた彼が懐かしいです。

動物医療センター とよた犬と猫の病院

院長

北原 康大

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